2012年6月22日金曜日

「ノマド」は若者だけのもの?

BSの報道番組が、「ノマドワーカー」を取り上げていました。

ノマドの語源は「遊牧民」ですが、ノマドワーカーとは、大きく言えば
・時間や場所にとらわれない
・会社という組織に縛られない
というスタイルで働く人たち、ということだと思います。

ノマドと言う言葉は、流行語のようになっていても、その定義はいまだ曖昧です。
カフェやファミレスでパソコンに向かって長時間粘る人たちのことで、一部のネット族だけの現象だというような誤解さえあります。
でも、それは、表面的な一部であり、実際には、もっと本質的な時代の変化、パラダイムシフトの兆しと言えるのではないでしょうか?

ノマドって何?

よくあるのが、「ノマドは、個人事業者(フリーランス)とどう違うの?」という問いです。ノマドは、フリーランスよりも、さらに意識的かつ主体的に、組織や場所に縛られないことを選択する「生き方」を指すのではないでしょうか。つまり、フリーランスは、働き方のスタイルをあらわしていますが、ノマドは、もっと生き方そのものにかかわるコンセプトではないか、という気がします。

番組に出ていた3人の若者は共通して、具体的な次の構想をもっているわけでもない状態で大手企業を辞め、収入のない期間に耐えながら、個人の力で、仕事を引き寄せています。それは、仕事を変えたのではなく、生き方を変えたと言うことではないか、という気がしました。

彼(彼女)らに共通しているのは、次のようなことでした。(ランダムですが)
・ビジネスに固定費をかけない
・収入のあるものから、ボランティア的なものまで、複数の仕事を組み合わせている
・身の丈にあった仕事をする
・仲間のつながりの中で仕助け合う、コラボする
・仕事のパートナーとプライベートなパートナーを分けない
(ソーシャルキャピタルを意識している)
・お金にならなくてもしたいこと、するべきことがある
・これまでの枠組みが通用しなくなっていることに対する危機感がある。
・そんな時代の変化を直感し、新しいモデルを探ろうとし、具体的行動をしている。
・自分自身で、新しい暮らし方の環境を整備していく。
・ネットをうまく活用している。
・No.1をめざしたり、出世を争うことより 共生する方がいい。

不確定な時代に生きる若者ならではの「今、うまくいっている人がこの先もずっと成功し続けることはない」というリスクヘッジ感覚。
会社や行政に頼らず、仲間とのつながり(ネット、リアルにかかわらず)を大切にすることの背景。
なぜ、社会的なテーマに関心を持つのかという理由。
などについて、とても考えさせられました。

働き方が確実に変わっている。

ノマドという言葉はともかくとして、長く言われていた「働き方の多様性」が、ようやく現実のものになり始め、そこで、成功事例が出来てきているということは言えそうです。
組織に縛られる度合いの低い順に並べれば、ノマド→フリーランス→在宅勤務→組織内ワーク。そして、これら複数の並行的組み合わせも十分ありですから、そういう意味では、本当に多様になってきています。

ITネットワークの普及、東日本大震災の影響、ワークライフバランスや女性の社会進出促進などの観点から、企業も「場所や時間にこだわらない働き方」の模索を始め、在宅勤務はかなり広がり、副業を認める会社や、会社の外で活躍することを奨励する会社も出てきています。

まだまだメインストリームではないでしょうが、働き方自体の「多様化」は、徐々にしかし確実に進んでいくのでしょうね。「ノマドという働き方もいいね」「でも、会社勤めも一概に悪くはないよ」「人生にあわせて変えて行ってもいいしね」など、一つの働き方に固執するのではなく、多様な働き方が共存し、かつ柔軟に変えていける。そんな方向に時代は向かっているような気がします。


シニアにも、学ぶところはある。

ダニエル・ピンクの『フリーエージェント社会の到来―「雇われない生き方」は何を変えるか。』を読んだ時は、衝撃を受けて、こんな社会が本当に来るだろうかと、期待を感じました。日本語訳が出版されたのは2002年ですから、あれから10年になります。

そして、いまノマドというコンセプトが、若者たちの間で、ある種のあこがれのようになっています。もちろん。そこには、多くの課題も潜んでいると思いますし、「背負っているものが軽い若者だから、できるんだ」「現実は、もっと厳しい」「能力のある、エリートだけにできること。普通の人には、無理」などと否定的に見る人も少なくありません。上の世代の人ほど。

確かに、フリーランスにしてもノマドにしても、気楽で自由なんてことは、ありません。地道な努力が必要ですし、責任はすべて自分で負わなければならない点では、会社員の責任とは比べ物になりません。
しかし、それでも、そんな生き方を選ぶ若者が出てきていることは事実ですし、会社員を続けながら、平行して準備をしている人も増えています。

ところで、考えてみれば、ノマドのコンセプトは、実はシニアにこそぴったではないか・・・・そんな気がします。
「ネット偏重は問題だ。」そんな的外れで、表面的な目で見るのではなく、若者たちに学ぶところは大いにあるのではないでしょうか?
シニアの第二の人生だって、もっと、「本当の意味で多様であってもいいんじゃないか」と思います。

でも、そんな兆しは、今のところシニア層には、あまり見られません。突破口はどこにあるのでしょうか?それとも、見えないところで静かに生まれつつあるのでしょうか?

よろしければ、こちらもどうぞ。
「漱石もノマドだった?」

2 件のコメント:

  1. この記事は凄く参考になりました。ありがとうございました。(*__*)m **。:゚+―◇*

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  2. 働き方は、確かに変わってきていますね。社畜などという言葉は死語になるかもしれません。
    シニア層も、もっとベンチャーマインドをもっていくべきなんでしょうね。

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