2012年9月29日土曜日

終活戦線、まっさかり?

セカンドステージ大学の前期講義で、「最後まで自分らしく」というお墓や葬式など、死の準備を考える授業を受けました。とてもすてきな先生で、暗くなりがちなテーマを明るく学ぶことが出来ました。

ところで、ニュースによると、昨日、「終活フェアイン川崎」というイベントがあり、60代、70代を中心に400人もの人でにぎわったそうです。一般にも、終活への意識は高いのですね。
遺影の試し撮りに一喜一憂したり、遺品処理の仕方や、遺書やエンディングノートの書き方に真剣に聴き入ったり、相談している姿が紹介されていました。

棺おけにはいる体験もあって、それはなんとダンボールでできたエコ棺おけ。お値段は割高なのですが、いますごく人気なのだそうです。人生の最後もエコな人で終えたいって気持ち、あるのでしょうか?



終活にこめられた想いとは?

なぜ、そんなに終活に熱心なのか?終活にはどんな想いがあるのだろう?
ニュースを見ながら考えたことを、まとめてみました。

1.後に迷惑をかけないようにしておきたい。
・もめないように遺言を書いておく。
・家族がわかりやすいように整理して文面にしておく。
 (エンディングノートを書いておくなど)
・お葬式や整理のためのお金を残しておく。
 (預金がない場合は、自分が死んだら子どもにお金が払われる保険など)
・遺品整理などの生前予約をしておく。
・不慮に備え、見守りサービスを利用する。
・家を処分し、コレクティブハウスやシニア向け賃貸住宅などに住みかえる

など。子どもたちや遺された配偶者に負担をかけないように、という気持ちは大きいと思います。
また、最近では、老人ホームで亡くなった親の引取りを拒否し、直葬で済ませて欲しいという子どもたちも出てきているとききます。これからの時代、子どもたちは自分のことで精一杯になるでしょうし、最後にはひとり暮らしになっている可能性も高くなります。
「後のことを段取りしておく」ことは自分の責任、という時代になってきているのかもしれません。


2.死の儀式や死後も自分らしいかたちにしたい

・お気に入りの遺影をとっておく
・葬式のスタイルを決めておく
・自分の好きなお墓を生前購入しておく

など。お墓ひとつとっても、先祖代々の墓ではなくて友人やペットと入れる共同墓、樹木葬墓地、ガーデニング墓地など本当にいろいろなお墓が出てきていますね。
「進学、就職、結婚など、自分の人生は自分で決めてきた。だから、人生の最後も自分で決めたい」。そんな意識も高まっていて、これは団塊の世代くらいから顕著になっている傾向のようです。人生の最後の「選択の自由」って感じでしょうか?


3.死後も忘れられたくない
・自分史を書いておく
・作品を残す
・特定の人に残す遺品を決めてメッセージを残しておく

最近では、ネットのライフログも使われ始めています。
まさに、「人生すべてデータ化」って感じでしょうか?東京大学などで、そのデータを分析する実証実験も始まっていると聞ききます。そのうち、ライフヒストリーが生き様のデータベースとなり、後世に役立つようになる・・・なんてこともあるのかもしれません。

最後は、やっぱり生き甲斐?

でも、自分の最後=自分の死。私などは、それを考えるのは、やっぱり少しこわいです。終活の意味は、一応の準備をして憂いを減らし、前向きに生きることなんでしょうね。そのためには、ありきたりですが、「生き甲斐」をもつことがやはり大切なのでしょう。

いまや世界から大注目のアーティスト草間弥生(83歳)は、自分の作品を後の時代に残すための美術館を建設中なのだそうです。これも、死に向かった一つの準備ではないかと思います。
でも、彼女には、それが生きる意味にもなっている。「アーティストである以上、一流だったといわれる作品だけを残したい」「つまらない作家だったと言われたくない」と語っていました。「残された時間の中で、もっと素晴らしい作品を生みたい」「まだまだ、これからだ」とも。

精神科の病院で暮らしながら作家生活をしている彼女だからこその、圧倒的な説得力があります。車椅子でアトリエに通っていても、作品をつくるときには、しゃきっとして、どんどんイマジネーションが湧いてくる。その姿は、もう、すごい!の一言につきます。
そんな真似はとてもできないですが、願わくば、その10分の1くらいでもいいから、打ち込める何かへのエネルギーをもって、日々を送りたい。そんなことを思う今日この頃です。

0 件のコメント:

コメントを投稿

いただいたコメントは管理者が確認してから公開させていただいています。内容により、掲載させていただかない場合もありますので、ご了承のうえメッセージをお願いします。